このblogではカフェ開業に必要な知識やポイント、資金などについて紹介していきます。
カフェ・喫茶店の開業に必要な資格や免許は?
カフェ・喫茶店を開業するためには、いろいろな」免許や資格が必要になってきます。
カフェと喫茶店の違いですが、一般的なイメージとしてはドリンクの他にも、フードメニューが充実しているのがカフェ、小さめの店舗でドリンクメニューがメインなのが喫茶店です。法律的にもカフェと喫茶店では営業区分が異なってきます。カフェは飲食店営業で喫茶店は喫茶店営業になります。
「飲食店営業」は酒類の提供が可能で調理全般が可能なのに対して、「喫茶店営業」は酒類の提供は不可、調理も基本的に不可になっています。
アルコールを提供したり、店内で調理してフードメニューを充実させたいなら飲食店営業、ドリンクメニュー中心で営業するなら喫茶店営業になると思います。
食品衛生責任者
カフェ・喫茶店どちらを営業するにも必要になってきます。
食品衛生責任者の資格を取得するためには、「食品衛生協会」が開催する講習を受ける必要があります。
食品衛生責任者の講習科目と時間数・費用
- 衛生法規:2時間
- 公衆衛生学:1時間
- 食品衛生学:3時間(テスト含む)
費用:10,000円(教材費込み)
計6時間の講習とペーパーテストのみなので、1日で資格を取得することができます。持っていない人はカフェ・喫茶店の開業前に簡単に取得できます。
調理師免許は持っている場合は「食品衛生責任者」の講習が免除となります。全国共通の資格です。
飲食店営業許可申請
「飲食店営業」の場合に必要な届出です。「喫茶店営業」の場合は必要ありません。
これは資格や免許ではありませんが、保健所に提出する申請書です。
厨房や食器棚、空調、トイレなどの細かい規定があるので、店舗着工前に設計士と一緒に所轄の保健所に相談すると良いと思います。
申請には、店の見取り図や食品衛生責任者手帳、手数料が必要になります。
防火管理者
収容人数(スタッフ+お客様)が30人以上になる規模のカフェの場合、「防火管理者」を置く必要があります。これは講習だけで取得できる資格です。300㎡以上の店舗では甲種、300㎡未満の店舗では乙種の講習を受けてください。
防火管理者の講習内容と時間数・費用
- 甲種…防火管理の意義や制度、火気管理、防火管理に係る訓練及び教育など:約10時間、2日
- 乙種…甲種の講習事項のうち、基礎的な知識及び技能:約5時間、1日
費用:甲種7,500円 乙種6,500円
菓子製造業許可申請
店舗内でお菓子やパンを製造し、テイクアウトや卸業を行う場合は必要となります。
店舗メニューとして料理と同じようにお菓子やパンを提供する場合は、この資格は不要の場合があるので、事前に保健所に確認すると良いでしょう。
ポイント
カフェ ・喫茶店 を開業するためには、資格だけでなく、やはり経験と知識が必要になってきます。 費用はかかりますが、講座やスクールを受講したり、実際のカフェでアルバイトしながら実務経験を積んでいくのも良いでしょう。
あなたにしかできない個性のあるカフェへ ーコンセプトー
カフェ ・喫茶店 を開業して、経営していくのに大事なことは、その店のコンセプトを明確にすることです。あなたにしかできない個性のあるカフェ ・喫茶店 にするのです。
昨今、カフェや喫茶店はトレンドにものって店舗数が増えてきています。ただお茶をするだけなら立地の良い場所にあるチェーン店などにお客は流れてしまいます。
でも、「あの店のコーヒー最高」、「ペットと一緒に行ける」、「スイーツがおしゃれでインスタ映えする」「あの店の雰囲気最高」「とにかくお得」など、他店に負けないアピールポイントをコンセプトにいかしていけば良いのです。
コンセプトによって、店の立地やメニュー、内装、集客方法も変わってきます。
コンセプトの作り方
コンセプトを作るには、あなたが作りたいカフェ ・喫茶店 の姿をイメージしてください。
あなたのお気に入りのカフェの良い所、悪い所など具体的にまとめてみるのもコンセプト作りの手助けになるかもしれません。
コンセプトを考えるためのポイントは次の3つです。
ポイントは3つ
- どんな人に向けたカフェ・喫茶店にしたいか(ターゲット層)
- どの様にカフェ・喫茶店を利用してもらいたいか(人数、時間帯、頻度)
- お店のアピールポイントは何か(独自性)
これらは全て、お店の個性を出し、他の店との差別化をはかるために必要なことです。色々なカフェ・喫茶店を見て回り、どんなカフェをどんな人が、どんな時に利用しているのかをリサーチしてみてください。そうすれば、あなたの店のアピールポイントが明確になっていくはずです。それがコンセプトになっていくのです。
ビジネスでも良く利用されるコンセプトシートを作ってみてはいかがでしょうか。
あなたが、思い描いたコンセプトを文字にすることで、考えも整理ができ、違ったアイデアも生まれてきたりします。そしてコンセプトシートを使えば、開業準備に協力してくれる人達とも、あなたの考えを共有しやすくなすのです。
- いつ
- どこで
- なぜ
- 何を
- 誰に
- いくらで
- どのように
この7つの項目について、自分の考えていることを書きだしていきましょう。頭の中に散らばっていた内容を文字におこすことで、よりコンセプトが明確になっていくはずです。
カフェ・喫茶店の内装やメニューを決めるには?
コンセプトを決めたら、それに合わせて内装やメニューを決めていきましょう。例えば、健康志向を前面に押し出したカフェなら、内装も素朴で温かみのあるものが良いでしょう。あるいは、北欧系の雑貨をメインに置いたカフェなら、内装やメニューも北欧系で揃えましょう。
内装の決め方(例)
- コンセプトをもとに、インテリア販売サイトや似たコンセプトのカフェなどを見て検討する
- インテリアショップなどで実際に売っているものを見て回る
- スタッフや自分が動きやすい、掃除しやすい配置を考える
- お客様が「居心地がいい」と感じられる内装を心がける
メニューの決め方(例)
- コンセプトをもとに、ターゲットとなるお客様の需要を考えて決める
- コンセプトに近いレシピ本やレシピサイトなどを見て決める
- 具体的な国のイメージがあれば、その国の料理を深く調べると良い
- 季節によって提供するメニューを変えることも考える
どんなカフェ ・喫茶店 でも、お客様がゆったりとくつろげる場所を目指すことに変わりはありません。コンセプトをもとにしながら、ターゲット層であるお客様が「居心地がいい」と感じてもらえるよう、また、お店全体としてコンセプトによる統一感を出せるような内装を選びましょう。そのためには、できるだけたくさんの同じようなコンセプトのサイトや店舗を見ることが大切です。
また、メニューも同じように、コンセプトをもとにたくさんのメニューを見たり料理を調べたりしてイメージを固めましょう。特に、個人経営のカフェでは必然的にお客様が固定化しやすいため、メニューを定期的に変えていく必要があります。季節やイベントによって特別なメニューを用意することで、目新しさや新鮮味を感じてもらうことができます。
カフェ ・喫茶店 開業のための資金について
最後に、具体的な資金についてご紹介します。カフェ・喫茶店開業の一般的な資金は、平均で500〜600万円と言われています。
内訳の一例
- 物件取得費…120万円
- 内装…40万円
- 設備…200万円
- 備品…30万円
- 宣伝費…50万円
- 運転資金…100万円
上記の一例は、家賃10万円(10坪程度)、設備や備品を一から揃える店舗として考えた場合です。店舗を契約する場合に必要な「物件取得費」には、家賃の10ヶ月分程度の保証金や礼金・仲介手数料などが含まれています。また、開業後しばらくは赤字でも経営していけるよう、当面の「運転資金」を用意しておく必要があるでしょう。
さらに、飲食店では定期的に食材を調達する資金も必要になります。お店のコンセプトや価格帯によって異なりますが、運転資金の中に当面の食材費も含んでおくといいでしょう。
開業資金を抑えるポイント
開業時には、まとまった費用が必要になってきますので、できれば費用は節約する努力もしましょう。具体的には、以下のようなことに気をつけると費用を抑えやすくなります。
- 居抜きなど、設備がもともと整っているお店を選ぶ
- 出資者を募ったり共同経営者と一緒に開業したりする
- 備品や内装など、自分で作れるものは作る
- 設備、備品を中古で購入する
最も費用を抑えやすいのは、「居抜き物件」を利用する方法です。居抜きとは、以前にその物件で開業していた内装や食器、設備などが残された店舗のこと。もともとカフェ ・喫茶店 を経営していた店舗であれば、設備や備品をそのまま使うことができることが多いため、開業資金を大幅に抑えることができます。
また、一人で開業すると500〜600万円を一人で用意しなくてはなりませんが、二人で開業すれば一人あたり用意する金額は250〜300万円と、一気に敷居が低くなります。趣味や価値観が似ていて、同じようにカフェを開業したいと思っている友人・知人がいるなら、誘ってみるのも一つの手です。
開業のための助成金・補助金制度がある
カフェ ・喫茶店 開業者には、国や自治体から「助成金」や「補助金」を受けられる制度もあります。具体的には、以下のような制度があります。
助成金・補助金の一例
- ・創業補助金…個人や中小企業に対して、最大200万円の補助金が出る。利益に応じて返還する
- ・小規模事業者持続化補助金…経営計画書、実績報告書を提出する必要がある。最大50万円
- ・軽減税率対策補助金…テイクアウトやデリバリーを行うカフェで複数税率に対応するための補助が出る
この他にも、開業後にスタッフを正社員として雇うことで支給される「キャリアアップ助成金」などもあります。しかし、いずれの制度もあくまでも開業後に審査を通った後で支給されるものですので、開業前にもらえるわけではないことに注意が必要です。応募から支給まではだいたい1件程度がかかるため、補助金や助成金だけを当てにして開業することはできないのです。
カフェ・喫茶店経営のポイント
見込み客、新規客、常連客に対して、アプローチを考えましょう。
- 見込み客
まだ店にきたことのないお客様には、ホームページやSNSを通じて店の存在をしってもらいましょう。 - 新規客
ポイントカードなどをつくって、また来たくなるような仕掛けを考えましょう。 - 常連客
親密度を深めていくために、常連様向けのイベントやキャンペーンを打ちましょう。
店の雰囲気づくりが大切!
店のコンセプトに合わせた店の雰囲気づくりが重要なポイントです。あなたの店の雰囲気がお客様の好みに合ったときに、そのお客様はリピーターになってくれるでしょう。
内装は、お客様がくつろげる空間の演出がポイントになります。長時間座っても疲れないイスや、目にやさしい内装色、照明の色、明るさなどにも気を配ってください。
外装に関しては、通りがかった人が安心して入店できるようにするのが良いです。開放的な入口で外からでも店内の雰囲気が分かるようにしたり、テラス席などをつくるスペースがあれば設置すると、より入りやすい雰囲気を演出できます。
wi-fi環境は集客のポイント
最近は、カフェ・喫茶店で移動中にパソコンなどで仕事をする人が増えてきています。そういう人のための便利グッズをそろえておくのも集客のための大事なポイントになってきます。wi-fi環境を整えたり、客席に電源を据え付けたりすると良いと思います。
お客様にとって、手軽にスマフォやパソコンの充電ができるのは有難いものです。便利なお店と思ってもらえれば常連様になってくれる可能性が上がると思います。